日本ではあまり取り上げられていないようですが、欧州ではイスラム教徒女性の全身を覆う衣装をめぐる論議が広がっています。
その一つの例が、仏南部を中心とする10以上の自治体による「ブルキニ」*の浜辺での着用禁止です。
*ブルキニ:イスラム教徒の女性向けの頭部から足まで肌の露出を最小限にした、体の線が出にくい長袖・長ズボンの水着。
相次ぐテロでイスラム過激主義への警戒が強いフランスでは、ブルキニを「イデオロギー的挑発」とみなし、「公共秩序に支障をきたす危険がある」と判断したわけです。
日本では、こうした動きに対して、いくらなんでも行き過ぎじゃないかとの感想を持つかも知れません。
しかし、元々フランスは厳格な「政教分離」を国是としています。
たとえば、昔から公共の場でのブルカやニカブ(イスラム教徒の女性の衣装)の着用は禁じられているんですね。
公立学校にイスラム教徒であることを示すスカーフを着けていくことも禁止されており、ある教師がこれに違反したイスラム教徒の女生徒に教室入室を禁止し、大問題になったことがあります。
もちろん、イスラム教ばかりが目の敵にされているわけではなく、「大きな十字架やスカーフ、キッパ(男性のユダヤ教徒が頭にのせている小さな帽子)などの目立つような宗教的しるし」も駄目です。
基本的には、公平を目指しているのでしょうが、イスラム教は目立つ上に、テロに対する恐怖もあり、特に注目されているのでしょう。
もう少し続きます。
では。
特定の水着の禁止(フランス)
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