欲求階層理論

20161003003704-82df2d7a196e1a829a1db29719f6a33b44271218.jpg突然ですが、マスローの欲求階層理論をご存じでしょうか。

マスロー(A.H.Maslow,1908-1970)は有名な心理学者で、人間が持つ内面的欲求を5段階に体系化しました。

これは簡単に言うと、人間の持つ欲求は、生理的欲求−安全欲求−社会的欲求−自我欲求−自己実現欲求といった形で低次元の欲求から高次元の欲求へと5つの階層をなしており、低次元の欲求が満たされてはじめて高次元の欲求へと移行するといったものです。

以下にこれらの5つの欲求を説明します。

1.生理的欲求 食欲・性欲・睡眠欲といったいわゆる人間の三大欲求がこれにあたります。

この生理的欲求は他の全ての欲求に優先して満たされる必要があります。

2.安全欲求 自分や家族を危険から守りたいという欲求。

3.社会的欲求 集団や組織に強い帰属意識を持ったり、自分の周囲の人々に対して愛情や友情などを持ち、好ましい人間関係を作ろうとする欲求。

4.自我欲求 自分の能力に自信を持ち、また他人からも認められたい、尊敬されたいという欲求。

たとえぱ、自分は頭がよいと思っている人が、周りの人達から頭が切れる人間だと認められた時、その人の自己評価欲求は満たされたことになります。

5.自己実現欲求 これは自分の潜在的能力を顕在化させたいという欲求で、この欲求は完全に満たされることはありません。

最初の4種類の欲求は欠乏欲求(D-need)と呼ばれています。

これらの欲求が長期にわたって満たされない時には、人は精神的な健康を失い、病気になり、時には死ぬこともあります。

そして、これらの基本的欲求を十分に満足させている人は、さらに「プラスアルファ」を求めます。

自分の可能性のすべてを引き出したいと考え、自分の存在の意味を問い、使命を全うしたいとの欲求を持つようになるんですね。

それが最高位の欲求である自己実現欲求です。

この段階では、周りはともかく自分自身がどんな人間になりたいのかということに関心が向くようになります。

つまり他人からの評価とは無関係に、自分の能力や可能性を最大限に開発し、これを達成したいと思うわけです。

他人が何と言おうとわが道を行く、といった感じですね。

会社の中で働いている人は、なかなかこの自己実現欲求までは行かないようです。

最近では雇用システムが崩壊し、社会的欲求さえ十分に満たされない場合も多いですから仕方がないのかもしれませんが。

しかし、できれば一人の人間として自己実現をしたいものです。

それが仕事の中でできれば勿論それに越したことはないし、趣味や奉仕といったものにそれを求めてもいいでしょう。

それによってより充実した人生を過ごせるのではないかと思います。

では。