突然ですが、今日は翻訳の話をします。
録画した映画を見ていると「You need help」に「一人じゃ無理だよ」との訳がついていました。
うまいですね。
まあ、私が知らなかっただけで、一種の定訳なのかも知れませんが。
「You need help」はそのまま訳すと「あなたは助けが必要だ」になります。
これをいかに自然な会話の形にするのかが翻訳者の腕と言えるでしょう。
簡単に言うと、直訳からできるだけ離れて、同じ意味を伝えるようにするわけです。
翻訳を勉強中の人はもちろん、プロの翻訳者でもこれがなかなかできません。
どうしても原文に囚われてしまう。
「あなたは助けが必要だ」と「一人じゃ無理だよ」とはそんなに違わないと言うかも知れません。
では「我が辞書に不可能の文字はない」はどうでしょう。
フランス語の原文は「Le mot impossible n'est pas francais」(cは本当に下にヒゲが付くのですが、省略しています)でそのまま訳すと「不可能という言葉はフランス語ではない」なんです。
英語ではなぜか「Impossible is the word found in the dictionary of fools」「不可能とは愚か者の辞書にのみ存在する言葉である」になっていますが。
それはいいとして、「我が辞書に不可能の文字はない」は、ナポレオンらしい感じも出ていて、素晴らしい名訳だと思います(やや、訳しすぎの感はありますが)。
もちろん、その他にも沢山の名訳、そして、反対に珍訳もあります。
英語(フランス語でももちろん良いですが)ができる方は、おもしろい暇つぶしになりますから、この視点でドラマや映画をご覧になってみたらどうでしょう。
では。
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