ブログサーフィンをしていると、ある人のブログにキツネうどんとタヌキうどんのことが書いてありました。
それでいくつか思い出したことがあるので書いてみたいと思います。
何の役にも立たない雑学で申し訳ありませんが。
私は京都生まれの京都育ち(パリに行くまで)なのですが、たしかキツネうどんと言うと、甘辛く煮た油揚げの入ったうどんだったと思います(最近は油揚げに味がついていないことも多いですが)。
タヌキうどんはいわゆるあんかけでした。
しかし、大阪ではタヌキそばはそばに油揚げを入れたもので、タヌキうどんはないのだそうです。
これに対して、東京ではタヌキは、そばもうどんも揚げ玉を入れたものを指します。
そして、キツネうどんは別名「しのだ(信田)」うどんとも言います。
しかし、これはあまり一般的な名前ではないようで、私も子供のころは知りませんでした。
私が初めてこの名を見たのは、20才くらいの時に行った競馬場の中の食堂でした。
その時は味のついていない、刻んだ油揚げが入っていたことを覚えています(これは今きざみうどんと言ってるかな)。
ところで、京都では油揚げが入った食べ物に、たとえばしのだ寿司(稲荷寿司)といった具合にしのだを冠することが多いのですが、これは信太の森の伝説から来ているようです。
この伝説を簡単に説明します。
摂津の国の侍 安倍保名が、狩人に追われ、傷ついた狐を助けます。
この狐は恩を返すために葛の葉と名乗って、保名に嫁ぎ、子をもうけますが、ある日、狐の化身であることがばれてしまい、「恋しくばたずね来てみよ和泉なる 信太の森のうらみ葛の葉」の一首を残して信太の森へと去ってしまいます(この話は歌舞伎にもなっています)。
この二人の子供は長じて、陰陽道の大家 安倍晴明になりました(意外でしょう)。
と云うわけで、狐の好物とされる油揚げを使用した食べ物に、狐に縁の深い信太の森のしのだを付けるようなったんですね。
狐はなぜか昔から日本では信仰の対象となっており、その位も「正一位稲荷大明神」と非常に高いんです。
だから、本来稲荷寿司やきつねうどんは縁起のいい食べ物ということになります。
では。
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