ニンビイな人たち(3)

続きです。

昨日までの文章を読んで少し前に話題になったマンガ家の梅図かずおさんの新居建築をめぐる騒動を思い出されたかたもいると思います。

閑静な住宅街に忽然とそそり立つあの赤と白の縞模様の家ですね。

たしか、まことちゃんだかなんだかをシンボライズしたタワーも付いていたかな。

これに周辺の人たちが反対したんですね。

一見、この問題は今まで書いたような隣人たちのエゴのように思うかも知れません。

しかし、一つ大きく違うところがあります。それは梅図ハウスには共益性がないことです。

周辺住民の迷惑を考えず、自分好みのデザインの家を建てようとするのは、あきらかに梅図さんのほうのわがままでしょう。

これがフランスだったら問題にもなりません※。

※毎度、フランスの例を出してすみません。私は長い間住んでいましたし、仕事がら行政関係の事情をある程度知っているもので。嫌味に感じたらご容赦ください。

梅図ハウスのような家はもちろん、もっとおとなしいものでも自分の好きな色やデザインの家を勝手に建てることはできません。

周辺の景観の調和を乱すような建築物は絶対に認められないんですね。

フランスやヨーロッパの国を訪れたことのある方はご存じでしょうが、町並みが非常に綺麗です。

それは確固たる都市計画に基づいて、建物の高さや外観が統一されているからなんです(国によって違いはありますが)。

特に、パリではこれが徹底していて、一部の地区を除いて高層建築がないことは有名です。

ついでに言うと、洗濯物を外に干すこともできません(外から見て美しくないからですね)。

日本の町並みは今でもあまり統一が取れているとは言えませんが、梅図ハウスのような建物が増えれば、ますます雑然としたものになるでしょう(梅図ハウスの裁判は梅図側が勝ちそうですが)。

では。