かなり前にテレビでロックの歴史に関するドキャメンタリー番組をやっていました。
イギリスのBBCが制作したもので番組自体の出来も非常に良かったのですが(日本ではこうした試みはあまりないようです)、その中で非常に面白い事件が取り上げられていたので紹介したいと思います。
一言で言えば、ヘビーメタルロックのサブリミナル効果裁判です。
1985年にアメリカで2人の青年が自殺しました。
その時に彼らが聞いていた音楽が当時人気を博していた英国のヘビーメタルバンド、ジューダス・プリーストの「Better by You, Better than Me」という曲だったんですね。
そして、遺族はこの曲の中には逆再生することで初めて明らかになるサブリミナル・メッセージが録音されていたと主張します。
死んだ2人が自殺する時に口走っていた言葉「殺せ!(Do it!)」が入っているというわけです。
遺族は、自殺教唆を理由にレコードを発売したレコード会社とバンドを相手取り告訴します。
当時、と言うか今でもですが、ヘビーメタルは危険な音楽だというのでPTA等から目の仇にされており、マスコミもこぞってこの裁判に飛びつきました。
そして、自殺した2人がアルコールや薬物を使用していたことを意図的に報道しなかったんです。
マスコミの無責任な姿勢はいつの時代でも変わることはないんですね。
しかし、幸いなことに、判決は遺族の敗訴に終わりました。
なんとか理性が勝利を納めたわけですが、いつもこういう結果になるかどうかは保証の限りではありません。
続きは明日。
では。
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