医学の進歩と医療過誤(3)

続きです。

もちろん、避けることのできないケースと単なるケアレスミスやいい加減な治療による事故とははっきりと分ける必要があります。

実は私も数年前に2カ月のうちに2回、わりと大きな手術を受けました。

幸い両方とも成功し、今はピンピンしていますが、鬼と呼ばれた私も手術の前にはさすがに気弱になりました。

それから、医療過誤の経験も何回かあります。

私の場合はフランスでの話なのでフランスの医療には不信感一杯ですが、今のところ、日本の医療にはある程度の信頼を置いています。

それはいいとして、すでに書いたように、現代医学は多くの犠牲者の上になりたっています。

有名な華岡青洲やジェンナーのように家族を実験台にした医師もいます(ジェンナーについては本当は少し違うとの意見もありますが)。

とは云え、犠牲になった人々やその家族がこれをどのように受け入れるべきかは非常に難しい問題ですね。

患者側の弁護士は進歩の中に個人としての人間を埋没させてもいいのかとの意見もあります。

簡単に結論が出る問題ではありません。

まだ続きます。

では