昨日の続きです。
「たけしの日本教育白書2006」では大人に「品格」がなくなったとして、図書館の本のページを破り取る、救急車をタクシー代わりに使う、火事現場で煙草を吸いながら見物する、葬式の時に亡くなった人の顔を写メールで撮る、といった行動を取る人間を例として上げていました。
しかし、これらは単純に常識が欠如しているだけで、品格がどうしたと言う問題ではないでしょう。
こうした、強引な論法もテレビ特有のもので、昨日も書いたように、テレビに品位を語る資格なんかありません。
次に、スポーツにおける品格の例として、相撲の伝説の横綱、双葉山が取り上げられました(69連勝で有名なのですが、今の人は知らないでしょう)。
彼は勝った時も、また、70連勝をかけた試合で負けた時でさえもまったく表情を変えなかったそうです。これが理想的な横綱像なんですね。
相撲ではガッツポーズはご法度だそうで、これは剣道なんかでも同じですが、負けた方の気持を考えろとの教えです。
野球でも、王監督も選手時代には記録になるようなホームランを打っても、ほとんどガッツポーズをしなかったようです。
そう云えば、高校野球でも大げさなガッツポーズを取った選手のホームランを無効にしたなんて話がありました。
しかし、私にはこれはうそ臭いと言うか、自然な人間の感情を押えるという儒教的な、旧弊は考え(だから女性蔑視が見られます)で、非常に不自然に思えます。
もう一度、相撲の話に戻りますが、相撲道とか、横綱は人格的にも優れていないといけないなどと良く言います。
しかし、現実には年寄り株の譲渡を巡る陰湿な駆け引きや、脱税、花田兄弟の確執などどろどろした話は沢山あります。
また、もともと相撲は神事でもあり、見世物であったわけで、今でも「たにまち」と呼ばれる後援者が不可欠なんですね(相撲取りは男芸者と呼ばれていました)。これは決して誇れるような習慣ではありません。
こうした裏の面、醜い面を隠して、建前だけで品格をうんぬんしても、結局欺瞞でしかないでしょう。
さらに品格の話は続きます。
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