福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す描写が風評被害や偏見を助長するとしてマンガ「美味しんぼ」に、数多くの批判が寄せられています(実際に風評被害が出始めているとの報道もあります)。
これに対して、原作者の雁屋氏は、「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない」とし、主張を曲げるつもりはまったくないようです。
雁屋氏は自分の正義を信じているんでしょう。
それを貫くためにはどれだけの人に迷惑をかけようが関係ない。
こういう独善的な人が良くいます(一部の環境保護派が代表ですね)。
しかし、真実であれば何を言っても良いと言うことにはなりません(雁屋氏の話が真実であるかどうかはわかりませんが)。
名誉毀損は本当のことを言っても成立します。
ただ、行政はなぜかこの問題には及び腰です。
性的表現に関しては、有害図書として簡単に出版停止や回収を命じるのに、それ以外の分野で「表現の自由」を盾に取られると弱いんですね。
影響はこちらの方が遥かに直接的かつ深刻なのにです。
しかし、表現の自由は他人に無制限に損害を与える自由を伴うものではありません。
しかも、このマンガは週刊誌に連載されており、その目的は営利なのです。
結局のところ、雁屋氏の主張が正しいかどうかは、水掛け論で終わるでしょう。
どれだけ科学的な証拠を提示しても、権力側に都合の良いものだと決めつけて、受け入れないからです。
これが独善的な人の特徴ですね。
法的手段に訴える、つまり、裁判所に出版差し止めか回収を仮執行してもらうしか対抗手段はないと思います。
被害を受けた方々はできる限り早急に行動を起こすべきでしょう。
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