言葉の浸透度

162298.jpg昨日の続きです。

「アナと雪の女王」の最後の方でアナがクリストフに新しい橇をプレゼントする時に、「飲み物置き台」付きだと嬉しそうに言います。

ううむ、「飲み物置き台」ですか。

ちょっと不自然かな。

重要なポイントではないので、あまり気にならないかも知れませんが、私には若干違和感がありました。

本来であれば「ドリンクホルダー」と言うべきでしょう。

ただ、この程度の単語を訳者が知らないわけがないので、「ドリンクホルダー」の言葉としての浸透度が低いと判断したのだと思います。

翻訳をしているとこうしたことは良くあります。

たとえば、私が翻訳者としてデビューした頃は、「ソムリエ」という言葉も日本ではほとんど知られていませんでした。

「ワイン担当給仕」とか「ワイン係」といった感じで訳していました。

もう一つ例を上げると、「コンセッション」(シネコンなどに出店している飲食店)にも苦労しました。

出店では意味が通じませんからね。

今では一応「コンセッション」で大丈夫だと思います。

要するに、日本人のどのくらいの人が理解できるかを考えるわけですが、その文章が対象とする層も考慮しなければいけません。

アナ雪で言えば、観るのは主に子供ですから、彼らが知っている語彙を選ばなければいけない。

「飲み物置き台」としたのもそのためでしょう。

まあ、難しいところですね。

責めるほどのことはないかな(誰も責めていないかも知れませんが)。

では。