「蜘蛛の糸」と緊急避難(2)

昨日の続きです。

しかし、この「他人を押しのけて、自分のことばかり考えると報いを受ける」との教訓はあまりにも単純ではないでしょうか。

私に言わせれば、これは極楽で暇をもてあましていたお釈迦様の気まぐれの話ですね。

思いつきのいたずらと言うか。

カンダタが死んだ時に、彼の人生のすべてに鑑みて地獄に落としたはずです。

そうではないとすると手落ちと言うことになります。

また、カンダタのような極悪人が下からついてきた人間を落とそうとすることぐらい簡単に予想できたにちがいありません。

お釈迦様は全能で未来なんかすべてお見通しなんですから。

さらに言えば、お釈迦様は「緊急避難」を考慮していません。

緊急避難について以下に簡単に説明します。

乗っていた船が沈没してあなたは海に投げ出されてしまいました。

岸までは遠く、泳いでいける距離ではありません。

その時、浮き輪が1つこちらに流れてきました。

周りにはあなたのほかにもう1人。

2人が浮き輪につかまったら沈んでしまいます。

あなたならどうしますか?

まあ、よほどの善人でもない限り、普通は相手を突き飛ばしてでも自分が助かろうと思うでしょう。

ではこれは犯罪になるのでしょうか。

なりません。

明日に続きますIMG_0016.jpg