昨日の続きです。
もう一つ、例を上げます。
今度は、チケットを失くした場合です
ある映画のチケットを1800円で購入し、紛失してしまった場合、もう一度買い直して映画を見るべきでしょうか。
チケットを購入したということは、その映画を見ることに少なくとも代金1800円と同等以上の価値があると感じていたからのはずです。
これに対して、紛失してしまったチケットの代金は昨日書いた埋没費用ですから、2度目の選択においてはこれを判断材料に入れてはいけません。
すると、再度1800円のチケットを購入してでも、1800円以上の価値がある映画を見るのが経済学的には合理的な選択になります。
人は「その映画に3600円分の価値があるか」という基準で考えてしまいがちです。
しかし、回収不可能な埋没費用は考慮に入れてはいけないのです。
折角とか、勿体ないとは考えず、一旦、ゼロに戻して、将来の損得だけを考える。
もちろん、これはわかっていてもなかなか実践はできません。
国家レベルのプロジェクトでも同じような例が沢山あります。
有名なのはフランスの超音速旅客機コンコルド計画ですね。
大変な費用と時間をかけて開発したコンコルドは商業的には完全に失敗だったのですが、なかなか打ち切れず、結局、さらに損失を重ねる結果になりました。
実際にはコンコルドにはアメリカの妨害、国家の面子等、他に多くの要素があるのですが、煩雑になりますのでここでは詳述はしません。
そして、重要なことはサンクコストの考え方は、日常生活のさまざまな場面で活用できることです。
投資やギャンブルで大損する人たちは大抵、今までつぎ込んだお金の話をします。
また、離婚といった問題でも、せっかく今まで我慢したのだからと言った意見を聞きます。
どんなケースでも、もう一度繰り返しますが、回収不可能な埋没費用は考慮に入れずに、一旦、ゼロに戻して、将来の損得だけを考えなければいけないのです。
もったいないを金科玉条にするのは止めましょう。
では。
もったいないはそれほど良い考えではない(続き)
Posted by comment(0)
|
コメント