性善と性悪

かなり昔のことですが有名な美談があります。

あるアメリカの小学生が脳腫瘍を発症し、放射線治療を受けました。

そして、そのために髪を失ってしまったんですね。

「この頭を見たら、みんなどう思うだろう......」

彼が、不安な思いを抱えて久しぶりに登校すると、なんと同級生全員がスキンヘッドにしていました。

彼を精神的に支えたいと思ったのです。

なかなか良い話でしょう。

多くの人がこのクラスメート達の行動を褒めたたえ、天使のような子供たちだと称賛しました。

それにひきかえ、イジメが横行する日本の学校はどうなっているのだとの意見も。

しかし、ひねくれ者の私は、この行動を素晴らしいと認めるとしても、このクラスメート達が天使のような子供たちであったとは思いません。

一人の生徒がこのアイデアを言い出し、その時の空気から誰も逆らえなくなって、全員が丸坊主にしたというのが本当のところでしょう。

集団の行動なんてそんなものです。

注意すべきは、人の集団はどちらの方向にも動くということです。

つまり、イジメに走ることもあるんですね。

中心になる子供がいて、周りはそれに引きずられてしまう。

逆らうのは難しいでしょう。

人は性善でも性悪でもありません。

要するに状況次第ですね。

参考までに言っておきますと、上のエピソードに似た話が国(つまり日本にも)や年齢(中学、高校)を変えて沢山あるようです。IMG_0016.jpg

では