箸の端の話

20151216082700-de15ef62bbad2b9778aae87681e309892d8e6921.jpgなんでもある女子高校では、入試に「箸の持ち方」を検査項目に取り入れているそうです。

生活習慣や食べることに対する最低限のマナーが身についているかを見ることが狙いだとのこと。

しかし、確かに箸の使い方は日本人の食事マナーの基本でしょうが、それを入試の検査項目に入れるのはどうでしょう。

ちょっとプライバシーに介入しすぎのような気がします。

そう云えばテレビを見ていてもグルメだの食通のはずのタレントが、まともに箸を持てなかったりします。

彼らは見せるのが仕事なんですから、きちんとした箸使いを知っていないといけないと思いますが。

ついでですので、箸についてのうんちく話を書きます。

まず、使いやすい箸の長さは、力学的に見ると親指と人差し指を直角に広げた指先の距離の1.5倍とされています。

それから、昔、伊丹十三さんのエッセーで読んだのですが、京都の貴族が作法を見ようと小笠原流の家元を招いて食事を出したんですね。

それで意地悪くお茶漬けを出したわけです。

お茶漬けを美しく食べることは至難のわざですから。

家元は出されたお茶漬けを特に気にすることなく、さらさら口にとかきこみました。

そして、家元が帰ったあと、貴族たちは小川原流の家元でもあんなものかと笑ったんですが、残された箸を見て驚きます。

先端から6ミリしか濡れていなかったからです。

あんなに乱暴に箸を使ったように見えたのにさすがは・・・と云う話ですね。

伊丹さんはこの箸が6ミリしか濡れていなかったことに気付いた貴族もすごいと誉めていました。

まあ、今ではあまり理解されないでしょうし、必要がない技術でしょう。

なんだか作り話っぽい感じもしますが。

では。