童話は残酷だ(3)

20160226102418-06a42047030bb9b4d884182ac0058b6e0496e7a5.jpg続きです。

最後にグリム童話でも極め付けの残酷な話を紹介しましょう。

「ねずの木の話」です。

昔むかしあるところに、大変美しい男の子がいました。男の子は、父親と継母そして半分血のつながった妹と4人で暮らしています。

ある時、継母は、自分の実の娘に全財産を継がせたいと思い、先妻の息子を殺そうと思い立ちます。

彼女はリンゴの入った箱のフタを開け、息子に取らせます。

そして、男の子が首を突っ込んだ時に、思い切りフタを閉めました。

男の子の頭は箱の中にごろり。

継母は殺人を隠すため、子どもの頭を胴体の上にのせて、布を巻き付け、椅子に腰かけさせます。

それから、娘を呼びつけてお兄ちゃんに触らせると、首が落ち、娘は自分が殺したと思い、泣き叫びました。

さらに、継母は男の子の死体を細かく刻み、スープに入れて煮込み、帰宅した父親に出します。

父親は、「今日の料理はとてもうまい。もっとくれ。おまえは手を出すな」と言って、骨をテーブルの下に投げつつ、スープをすっかり平らげてしまいました。

継母は残った亡骸をねずの木の下に埋めるんですが、ねずの木はまるで生き物のように動き出し、枝をどんどん広げていきます。

そして中から飛び出した美しい小鳥が「母親が僕を殺し、父親が僕を食べた」と歌い、街中に母親の罪を知らせました。

小鳥の歌にさいなまれた母親は気が狂い、哀れな最期を迎えるのでした(案外気が弱いんですね。この継母は)。

しかし、さすがにこれでは子供に読んで聞かせることはできないでしょうね。

下手をするとトラウマになりますから。

だから余り知られていないのでしょう。

蛇足ですが、日本のカチカチ山もこの話も人を食べます。

結構、本当にあったことなんでしょうね。

では。