昨日の続きです。
勿論、遭難者の救助は命令ではありません。
ピートは拒否することもできました。
優勝を諦めなければいけなかったからです。
しかも広い海の上ですから、発見できる保証はなく、間に合うかどうかもわかりません。
たとえ救助に向かわなくても誰も彼を責めなかったでしょう。
しかし、彼は引き返します。
200キロと云っても、暴風雨の中を進むわけですから3日もかかりました。
それでも、なんとかラファエルの船を見つけ、救助に成功します。
最寄りの港まで送り届けたのですが、そのためにさらに10日もかかってしまいました。
優勝の可能性は完全になくなったわけです。
10年もかけて準備し、自宅を売却した上、1800万円の借金までして、参加したこのレースでの優勝を、まさに夢を人の命を救うために諦めたんですね。
そして、ピートはレースに復帰します。
そのまま諦めたらラファエルが苦しむと思ったからです。
結局、5位でゴールしました(賞金はなし)。
1位から21日遅れでした。
しかし、ゴールの港では彼の行為を讃えた10万人のフランス人が歓声をもって迎え、フランス大統領も表彰しました。
さらに明日に続きます。
では。
ダンディスム(3)
Posted by comment(0)
|
コメント