よくナマコを初めて食べた人は偉いとよく言います。
あんな不気味な格好をした生き物をよく食べる気になったというわけです。
しかし、これは考え方が逆なんですね。
原始時代の人の祖先は手当たり次第に何でも食べました。
目の前にあるものはどんなものでも口にしたでしょう。
これは気持ちが悪いなんて贅沢を言える状況ではなかったんです。
これは結構知られていると思いますが、人間は食べるものがない時期が長かったために脂肪を体内に溜め込むシステムが出来上がりました。
要するに、食べられる時に食べておいて食べ物がない時に備えるわけです。
そのために今では多くの人が肥満に苦しんでいるわけですが。
それはいいとして、人はどんなもでのも食べるために、様々な工夫をしてきました。
時には普通では食べられないものまで無理やり口にしてきました。
たとえばコンニャクです。
製法を知っている人は多くないかも知れませんが、コンニャク芋はそのままでは食べられないので、すり下ろしたものに石灰乳を加えて固めるなんてことをします。
本当によく考え付いたと思います。
コンニャクには栄養はまったくありませんから、ただ腹を膨らますためだけに考え出した方法です。
また、猛毒のフグも食べるのもまともとは思えません。
ちゃんとした調理法が確立されるまでにどれだけの人が死んだでしょう。
もっとも毒が強い肝まで食べるんですから。
それから、これは今では食べないようですが、昔飢饉で沢山の人々が餓死したような時には、松の皮やさらには有毒植物であるソテツの実まで食べたそうです。
ちょっと話はずれますが、工夫で私が驚くのはコーヒーですね。
実を食べるのは当たり前ですが(産地では実際に食べられています)、その実をわざわざ取り出した、煎って、熱湯で浸出させるなんてことは、よほどでないと思いつかないでしょう。
だから、最初に戻りますが、ナマコなんてのは口にして当たり前なんですね。
海には沢山あるんですから。
勿論、どうしても食べ方を見つけられなかったものも多いと思いますが。
飽食の時代に生きる私たちはこうした昔の人々の苦労を忘れてしまい、こんな気味の悪いものを最初に食べた人は偉いなんて贅沢を言うようになったわけです。
では。
人は何でも食べてきた。
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