運命(1)

世の中まじめに朝から晩まで働いている人が豊だとは思えない。

やっぱり未来決まっている。

運命と呼ばれるものがあるのかも知れない。

こんな大人の寓話があります。

むかし、むかし、二人の兄弟が一緒に暮していました。

兄が一生懸命働いていたので、農場はとても豊かでした。

弟のほうは食べ、飲み陽気に騒いで、一日を過ごしていました。

とうとう、兄は我慢できなくなり、

「おればっかり仕事をしているのは不公平だよ、

これからは別々にやっていこう」

弟は反対しましたが、

兄がどうしても譲らなかったので、

二人は農地と家畜を半分に分け別々に暮しました。

弟は人を雇い自分はあいかわらず浮かれて過ごしていました。

兄の方は自分の畑で一生懸命働きました。

しかし、次から次に悪いことが起こり、

彼はひどく貧乏になりました。

ある日、兄は弟の幸運だという美しい女性に出会います。

そして、男が貧乏なのは運命の仕業だと知らされるのです。         

男は運命を捜しに行く決心をして旅に出ます。つづく。