彼女は、本当に普通の…何処にでも居そうな“子供達の優しそうなお母さん”をしている印象の女性だった。
『私…頭がおかしいんでしょうか?』
開口一番、彼女は、そうワシに切り出した。
はっとして彼女の表情を追う。
確かに…うつろな眼をしていた。
でも、周囲には、その原因となっているような“悪さをする霊”の存在は確認出来なかった。
…ワシは彼女に詳しい経緯を話して貰った。
例え占い師であろうと、霊能者であろうと…
相談者さんの置かれている詳しい背景までは判らない。
…コールドリーディングでカマを掛け、さも全てを理解しているような顔で、まだ何も話していないうちから『苦労なさって来たんですね…』と、涙ながらに云うヤツが居たとしても…それはワシから見たら詐欺師以外の何者でも無いと思う。
そして、彼女を苦しめている背景を語って貰う時こそが、彼女を癒すチャンスとも思っている。
彼女は語り始めた。
何度かの失言?の後、御主人が彼女と会話をしなくなったこと。
(↑話を伺って…ワシ的には“失言”とは思えなかった些細なヒトコト達)
子供達(特に長男)とは、楽しそうに会話をすると云うこと。
普段は彼女は空気。完全に無視。
たまに話し掛けるといら立ちを隠さず、
『オマエが話すとイライラする』
『オマエの存在が、俺を怒らせる』
『オマエは頭がおかしい』
『オマエなんて一人では生きていけない』
『一人前に働いて稼ぐ事も出来ないから、お情けで置いてやっている』
…そう云うコトバを浴びせるのだそう。
『私、やっぱり頭がおかしいんでしょうか?』
ネットでワシを見付け、元精神科看護師である占い師=カウンセラーであるこの人なら…と思い、勇気を振り絞ってレムリアを訪れたそう。
…
『モラルハラスメント…ってコトバ、知っとる?』
ワシは静かに尋ねた。
『?』
全く知らなかったらしい彼女。
『取り敢えず…家に帰ったら、GoogleかYahoo!の検索画面から“モラハラとは”って入れて、検索掛けてみ?』(早い話がググってみ?とw)
幾ら話すより、絶〜対☆その方が早い。
深く理解出来るだろう。
(=鑑定料も安くて済むしw)
『ワシとしては、離婚をお薦めする。
御主人の行為は、DVのようなもの。
アナタはおかしくなんて、ない!
その件で精神科に掛かる必要なんてナイ!』
(↑こんな云い方をしたのは、御主人に苛め抜かれたPTSDとしては受診の必要が出て来る可能性があったため)
ワシは…そう彼女を励まし、ヒーリングし…
そうして1回目の面談を終えた。
(続く)
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