刈り取り...

北海道は寒さのピークになってきました。
もうすぐ雪祭りですものね...

さてさて、少し前に年配の方の相談を受けましてね、
何度かお話させて頂いているのですが、

御主人様がアルツハイマーで、もう体の自由が利かず、意思もハッキリせず、
それでも週に3回ほど、自分も頑張ってご主人様の居る施設に通っているのだそうな...

表向きには仲の良い老夫婦に見えるでしょうね、
しかし、そこはやはり最後まで男と女の葛藤があるんでございます。


なぜなら、そのご主人様、70歳を過ぎてから数年間、なんと浮気に走ったんだそうな!
奥さんも「もうそんな事、好きにすれば良いわ...」位に甘く思っていた所、

ところが相手の女性が挑戦的だったというか、本格的に奪いに出たというか、
自宅付近に頻繁にやってきて、夫様の事を「あれは、うちの主人です」と、
近所中に言いふれ回っていたらしく...それを知った瞬間、

抑えていたものがキレた、、、(そうですよね~)
結婚してから今まで買い物ひとつ、旅行ひとつ一緒に出掛けた事もなく、
いつもムスッとしていて、そういう仲良し的な距離を好まない性格なのは知っていたし、
自分も家族の為にと、スカート一枚も我慢してつつましく暮らしてきた。

定年になり子供達も落ち着いたら、老後は夫婦で何か楽しみを...と、
思っていた矢先の出来事、

今まで私には何一つもしてくれなかったのに、恥をかかされた上に
その女にはかなりのお金を使って二人で楽しんでいたかと思うと、
そりゃあ許せない、(わかりますとも!)

その後、すったもんだして浮気相手とはお別れにはなったものの、
そのすぐ後に腰を患い、そのまま夫様はアルツハイマーになり数年が経ちました。
「当然ですよ!!」(ですよね~^^;)

今は面倒をかけ介助して貰っても、分からないのかとぼけているのか、
まったくの無表情、それも気に入らないが、しかし、ハタ...と気がついた。
分からなければそれでも良い、どうせ動ける訳でも話せるわけではないのだから...

「ねえ...あの時、あの女が勝手に自分が妻だと言い回ったわけ?
あなたが自分の妻はお前だ、なんて言ってたからじゃないの?
だったら、いっそ覚悟を決めて一生、向こうにいれば良かったのじゃない?」

すると、なんとその時だけ目を見開いてブンブン首を横に振ったんだそうな!!
笑、笑、笑^^

それからというもの、チクリチクリと夫を苛めているんだそうです。
...(奥さんの声は分かるんです)

「体も動かず骨皮の惨めな姿になって、それでも死にたくとも死ねないはずです。
可哀想でもあるけれど、それは天の与えた罰なんだと思っています。」
(なるほど...)

また、自分も厳しい親に育てられて、自分ひとりで楽しむとか遊ぶとかが、どうしても
出来ない生真面目な性格が恨めしい、そうで...
なおさら、「私の人生を返して~!!!!!」に、なりますわね、

きっと、本当に奥さんが恨みごとを全部吐き出すまで、夫様は死ねないでしょう。
後悔した所で、それが最後の妻孝行です。
それも昨日書いた「やった事の刈り取り」の ひとつの形、

S、「気の毒ではありますが、、もうこのさい遠慮しないで、もっとバンバン
  言ってやれば良いですよ!^^」


真面目だから正しいとはいかないものです。
家族の為に、というのも大切な事だけれど自分を疎かにし過ぎると、いつか
バランスが崩れてきます。我慢強いのも程々に、ですね!

娘さんの忙しい子育てがひと段落して、早くお母様に付き合ってあげる事が
出来るようにと祈らずにはいられませんでした。


灰になっても女は「女」でございます^^
世の夫様も、悪いことは出来ませんですね~!