或る選択

昨年末に89歳の母が他界しました。
認知症のうえ、5年前には脳出血で寝たきりになり、肺がんも患っていましたが、苦しむ事もなく穏やかで自然な最期でした。

今年に入り近親者だけで葬儀を行いましたが、冷たく固くなった母に死装束を付けた時、改めて死を間近で意識すると同時に、生きている事の尊さ、有り難さを実感しました。

毎日ニュースでコロナや事故などで亡くなる方の数だけを見ていると、つい麻痺してしまいますが、そのお一人お一人には様々な歴史が或り、またその死に関わる全てのお仕事に携わる方々の大変さや真摯に取り組む姿勢を、母の葬儀を通じて強く認識し、改めて尊敬の念を抱きました。

近年は様々な理由で自死を選ぶ人がいますが、自我のプライドや先々への恐怖に負けず『敢えて何も選ばず受け入れる選択』こそが、人として一番尊く自然の理であり、どのような状況になったとしても、私自身もそう有りたいと思っています。

1.14.2021